最後

自動ドアに慣れきった腕には少々つらい、重たい扉を
日ごろの鬱憤は軽々と動かしてしまうけれど
こんなものさ、と感動さえ無い独り言をつぶやいて
扉の向こうに重い足取りで進んでいくのは
まるで釣り上げられて冷凍庫へと向かう魚みたいなものだ。

冷えた倉庫の中で少しずつ凍りはじめて
だんだん自分では何もできなくなるというのに
最後にどうなるのかなんて興味が無いほど
僕の気分は終わっているみたいだから。

最後なんて、なんでもない瞬間だった、
そう言って終わりたい。

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By GloomyWind 2003/3/25
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